という法案が施行されるという情報を最近ちらほら聞く様になった。結構前から国ではそういう動きがあったらしいのだが(まあほぼ内緒ですが)、とうとう4月から施行されるらしい。え、BSE??PSE??名前だけではよく分からんが、簡単に言うと古い電化製品を業者さんが売ったり買ったり出来ないというとっても単純なものだ。まあ多分、安全性の問題とかいう話。古い物は危険!!みたいな。例えば、朝使うドライヤーが古くなって、もっとパワーのある新しいドライヤーを買う資金を作るためにリサイクルショップに持っていくとする。そこで店員は言う。「すいません、これPSEマークがついていないので引き取りできません」。。。学校を卒業してさあ一人暮らし。とりあえず電化製品なんか安いものでいいからリサイクルショップへいこう!!そして気分わくわくでお店に行くと新品か、または年式は新しいが高い中古品しか売っていない。。。裕福な人はいい。新春お年玉セールかなんかで大型電気店に行き、一人暮らしセットを購入。まあ、まだそれくらいならいい。世の中リサイクルブームというがまったくもってリサイクルでもなんでもない。古くて危険ならメーカーが安全を保証するような修理をおこなえばいいし、そんな法案を認めたらもともと将来使えなくなるものを売っていたということになる。本当の技術者なら怒るはずだ。オレはそんなヤワな物作った覚えはねー!!!
ってことになる。法案のおかげで新品の電化製品の売り上げはのびるだろうが、オレは電化製品ひとつにしても文化の賜物だと思っている。
えーなんでー新しいのがいいじゃーん!!
という人ももちろんいるだろうがね。しかし大体古い電化製品でも問題なく今も使えるってことはめっちゃ安全を証明してるじゃないか!?と思う。
なんだかんだとオレはめちゃめちゃ反対なのだ!!!!!!
なぜこんなにも怒ってしまうのは、バンドマンならではの怒りがある。
コンセントを使うものは全て電化製品として捉えられるという事は、ちょっとした古いギターアンプなんかもお店で買えなくなってしまうのだ。例えば、ある中学生がストーンズを観に行ったとする。そしてキースのギターの音に感激して、テレキャスターを手に入れて、バンドを組む。そしてスタジオに通ううちに彼は疑問が出てくる。なぜあんなキースみたいな音が出ないんだろう。古ぼけたスタジオの店主が言う。「そりゃあたりまえだよ。キースはギターもいいのを使っているが、何よりも今のスタジオじゃ新しい安全主義なアンプしかないからねー。どこ行っても一緒だよ」
そして彼は躍起になって調べる。キースはどうやら50年代のFENDER TWIN AMPというのを使っているらしい。お年玉やバイト代をためて、さあ、楽器屋へ...しかしどこに行ってもTWIN AMPは売っていない。やがて彼は大人になり、ビジネスで成功を収め、いくら払ってもいいから、TWIN AMPを手に入れるんだ!!とまた楽器屋に行くが、やっぱり売っていないのだ。ビートルズのビデオを観て、グレッチを抱えてVOX AC 30でロール・オーバー・ベートーベンをはじけて歌うジョージ・ハリスンにはなりきれないのだ。そんなつまらん時代がやってくる恐れがある。まあ、今のところ、オークションなんかの個人間のやりとりはOKらしいが、そのうち個人間の古い電化製品の取引もNGとなる日がくるかもしれない。なんと言っても日本は島国。海外からのいろんな物が入ってきて文化が出来ていく国。もちろん日本独特の文化が悪いという訳ではなく、文化を融合させることに才能をもった多才な人種だと誇れるくらいだ。しかし業者はやはり商売なので、売れない物は仕入れない。つまり海外からいかしたアンプはやってこないのである。アンプの事だけを言っているが、もしキミが今の時代では考えられないすてきなランプを本かなにかで見つけて、これかわいいなあ...と思っても、どこにも売っていないのである。初代ファミコンのドラゴンクエストをしたくても古いファミコンなんか買えないのである。それが世の中に大量に余っているとしても。オレが73年製のマーシャルアンプをテに入れたお気に入りのリサイクルショップは摘発されるまでやる!!と言っているらしい。もっと問題が深刻になっても、そう、オレも相変わらずイギリスからたんまりSELMERやVOXアンプ、アメリカからアンペグやフェンダーアンプを手に入れてやる。そして税関で発見されて捕まってしまう。次の日のスポーツ新聞の見出しは...
「自称ミュージシャン逮捕!!。危険オールドアンプを大量に輸入しようとした疑い!」
といった具合に。でもオレは取調官に言ってやるぞ。
「オマエはビートルズやストーンズを聴いた事があるのか?」
ほんとそんな時代がきたらやだわー。