好きな数字は2!!
なぜか昔から。
誕生日月なのか、その昔、あの巨人松本の背番号が2だったからか。
なぜか2月が一番好きな月。
1月は絶賛レコーディング月間という訳で、オリジナル・アルバム用の録音、2008年に出したマージービート・カバー・アルバムのBEAT SIDE HITSの第2弾用の録音やら色々スタジオワークに励み、今月もまたライブと共にワークに励む訳ですな。
去年、とある方が亡くなった。
その方は俺が20代前半の頃、アメリカやイギリスにレコードの買い付けで飛び回っていたころに知り会ったおじさん。
ロスで出会ったその人はレコード屋さんを経営していて、初めて会ったにも関わらず、ウチに泊めてくれました。
たまたま、レコード屋さんの引っ越しと重なっていて、引っ越し作業を手伝うことになり、そのまま1週間程滞在した。仲良くなるにつれて、いろんな話をした。
俺は世界で一番好きなギタリストはキース・リチャーズとチャック・ベリーだ、と言うと、おじさんは俺と一緒だ!!とえらい興奮して、「60年代初期の若い頃、俺はチャックになりたくて、頑張ってGIBSONのES-355を買ったんだよ!! ローリング・ストーンズみたいにもなりたかった。ずっとこれ一本。一番の宝物だ。」と言って、俺とそのギターを連れ出して、友達を集めて、小さなパブで、チャック・ベリーの曲をセッションしようということになった。
日本人がチャック・ベリーのフレーズを弾くなんてアメイジングだ!!とその大切なES-355をずっと弾かせてくれた。俺よりお前の方がうまいから隣でずっと弾いててくれと、1週間の間、ずっと弾かされた。
それから、15年以上の付き合いとなった。
一昨年まで連絡はとっていたのだけど、去年のある日、手紙が届いた。
そのおじさんの親類から手紙だった。
おじさんは亡くなったと。
いろんなものを整理していたら、ギターが出てきたらしい。
そう、あのES-355だ。
そのギターを送ろうか?という事が書いてある。
なんやろう??と読み進めてみると、
ギターケースを開けると、紙が一枚置いてあって、「俺が死んだら、これをMR.PANに届けておくれ。俺のロックンロールは彼が引き継ぐだろう」と書いてあったようだ。
思わず涙ぐんでしまった。
ん〜、そんな、凄いギターを俺がもらっていいのだろうか。
ES-355なんてギターはビンテージともなるととてつもなく高価だし、俺にとっては、まだ弾いてはいけないとも思える弾き手を選ぶ最高峰のギター。
チャック・ベリー、B.B.KING、キース・リチャーズ...
そして、何よりも思いが詰まっている。
プライベーツのノブくんにメールをした。
「持つにふさわしい男にならなきゃだめだよ!」と返事がきた。
俺はアメリカに手紙を書いた。
「ギターを送ってください、とはこちらからは言えない。あれは素晴らしいギターです。弾き手を選ぶギターです。あなた達の家族で持っておくべきものだ、とも思っています。彼のその手紙だけで俺はその思いを十分引き継げると思います。ギターの行き先はあなたたちに任せます。」と返信した。
ギターが自分の所にやって来るのかどうかは分からない。
でも、あしたで38歳を迎える俺は「持つにふさわしい男」になりたいと思っています。