先日、雪の残る朝。
チャイムがなって、玄関のドアを開けると、宅配便の人がいた。
海外からの荷物です、と大きな段ボール箱を抱えていた。
段ボールを開けると、赤いギターが入っていた。
GIBSON ES-355だった。
本当に来て、びっくりした。
アメリカの友人が持っていたギター。
彼はもういないけど、赤いギターは魂と共に海を渡ってきた。
おまえにふさわしいギターだ、と送ってくれたような気がしてとても感動している。
ケースを開けると、ギターが目覚めて「あ〜、長旅だったぜ。お前と会うのも久々だな。ここが俺の新しい住み家か。これからよろしくな。」と言っている気がした。
早速、抱えて弾いてみる。
50年程前のものとは思えない完璧な素材と作り。
そして15年以上前の最初に持った感覚がある。
「俺はもうそろそろ50歳だが、まだまだいける。すこし体はなまっているけどな。」
そんな感じだった。
今、早速、調整をする準備をしている。
リフレッシュしたあとは、俺とステージに上がるのだ。
ギターが届いたことをアメリカの家族の方に連絡した。
「無事届いてよかった...」と返事が来た。
最後に粋な文章が書かれていた。
「おじさんと私たちはチャック・ベリーやキース・リチャーズではなく、あなたを選んだの」
よし、わかった。
こうなったら、この先は俺との旅に付き合ってもらおう。