夜な夜なレコーディングをしている。創造力アップにはこの作業が一番である。今回のコンセプトはシンプル・伊豆・ベスト。あー伊豆の温泉にでも行きたい。MY RECORDING機材は倉庫に眠っているので、今回は出番無しだけど、来年スタジオが完成すれば、彼らは活躍できるはずだ。みんな40歳くらいの中年機材だけど、いい音を生み出してくれると期待している。バンドをやっている人は大体ご存知だと思うが、今ほとんどがデジタルレコーディングで、結構コンピューターで簡単に出来てしまう。パソコンと楽器と適当な機材で家で録音出来てしまう。代表的なPRO TOOLSなんかはやはり凄く便利です。ある程度なら音痴でも大丈夫。修正可能です。エンジニアの人の話ではめちゃめちゃ修正しまくっている有名人もいます(笑)。便利になると、色々な人がきっかけをつかめていいなあとも思いますが、最近、やはりそれだけでは物足らないな、と。上手、下手って何だろうか??いい音、悪い音って何だろうか??それを一般的に考えたら、最近の出回っている音なんかノイズが少なくていい音で、みんな上手い。でもそれがコンピューターありきという事ならちょっと違う気がするのです。コンピューターは保険としての機材というニュアンスくらいで、やはり録音は生な感じが満載の方がいいな。ライブの延長という感じで。僕はレコーディング時期は必ずビートルズを聴いている。アビーロードの香りがするし、メンバーはもちろん、ブライアン・エプスタインやジョージ・マーティンがそこにいたんだなあ、という空気が音に混ざって流れてくるのを確認するためだ。ジョン・レノンが歌うTWIST AND SHOUTは声がかすれていて、それは多忙なビートルズが早く録音しなければならず、無理に録音したからという有名な話。今の時代なら業界チックなプロデューサーからするときっとNGでしょう。しかしあのTWIST AND SHOUTは疲労感と曲がマッチしていて、心底SHOUTしていて、歴史を感じる事ができるのです。そういった物を作り上げた方がきっと面白いはずだと最近常に思うなあ。あ、そうそう、ずっとスタジオ名を考えているのだけど、"FROG"というワードを入れたいのだ。なぜかというと、前の家に一匹バカでかいカエルが何年も
住み着いていて、よく玄関で僕の帰りを待っていた。いつも踏みそうだったんだけど。で、引っ越しする事になって、最後に残りの荷物を取りに行ったある日、なんと最後に彼!?彼女!?が玄関に現れたのだった。その家は数日後に取り壊される予定だったので、僕はなぜか心配になった。箱に入れて、公園まで放しに行った。後日、人間は生まれ変わると、爬虫類になるという言い伝えを聞いた。もともとそういった言い伝えは信じない方だが、なんとなくあのカエルが忘れられない。なので"FROG"を入れたい。そして心の隅であのカエルはおばあちゃんだったような気がする。世の中盆ですが、こちらは録音中。墓には行けませんが、西を向いてしわとしわをあわせよう。南無ッ!!