怒濤の一週間が終わった。郡山-長野-金沢-滋賀-岡山-大阪-埼玉。8日間で7本のライブ。まあなんとかなるもので、大阪のパッケージ・ランズ・グレイト・ツアー最終日が終わり、アフターパーティーが開かれている間に大阪環状-名神-中央と車を飛ばし、仮眠をとって埼玉へ。最後の埼玉はウーロンハイも呑んでいないのにすっかりナチュラルハイ。最後は定番ココイチの「肉じゃがカレー」で決めて帰京。で、疲れた体を癒す暇なく、6時に起床。理由は"お引っ越し"だ。オレは完璧なタイムテーブルを組んでいた。まず10時に色々な楽器や機材を積んでヤマトが来る。12時にミキサー卓を積んで日通が来る。14時に家財道具を運びに赤帽が来る。本当は赤ん坊の様に深い眠りにつきたいところだが。6時に起き、まず段ボールに荷物(思い出)を詰め込む。こんな服一回も着た事無いな。。。この写真若いな、隣にいるコは何て名前だったか。。。この本、こんなところにあったのか。。。いちいち手がとまりながらも作業が続く。9時にスタジオ場所に移動する。9時半、スタッフのミトちゃんと、ロイヤルが悪徳の館(スタジオ)に来た。間もなく電話が鳴り、機材が山積みになったパレットが2台運ばれる。これは意外とすんなり地下に運ばれた。休む暇も無く次の電話が鳴る。今日のメインイベント、ミキサー卓が来たのだ。アメリカから2カ月の時間をかけて日本に着いた。この時はおおいに感動するつもりだった。しかし、電話の向こうで、運送屋のおじさんが不安そうに話す。このトラックはチャーター便ですが、駐車するところはありますか??あと、本当に降ろせますか??なんだかとても嫌な予感がした。トラックが角を曲がり、ゆっくりと駐車場に入った。で、後ろのドアが開いた時、全員絶句した。「で、でかい。。。こりゃ、むりでっせ」。おじさんは微笑みながらオレに言う。「これ、重さ380キロありますよー、どうしましょ??」どうすることも出来ず、オレとロイヤル、おじさんは卓を前にして、しばらく座り込んだ。隣で工事をしていたおじさん達もなんだなんだと覗きに来る。苦笑いの連続。とりあえず、トラックから地面に降ろしたが、それからは移動できるはずもなく、また座り込んだ。と、その時、今回の救世主である水道屋さんが現れた。水道屋さんはたまたま、検査の下見をしにきただけだった。僕らは卓をバラす方向で考えていたが、工具がなかった。水道屋さんはチラッとこちらを見て言った「工具ならあるぜ」と。彼は工具を使い、簡単にデスクと足をはずした。しかし、はずしたところで重量は約300kg。到底無理だ。しかしそこは救世主。ここまで来たら地下に運び込んでやるぜ!!とばかりにアイデアを出し、全員汗まみれになりながら、階段を一段ずつ降ろし始めた。道具は毛布2枚と大人4人。運送屋のおじさんは予定以上の仕事をさせられたようですでに朦朧としていた。フラフラになりながら最後に「これはあげます」と毛布を置いて去って行った。水道屋は最後までオレを見放すことは無かった。足とデスクをまた固定し、設置した後に「じゃあ」と笑いながら帰っていった。オレは彼の事をトキ(北斗の拳)と呼んでいる。
ps/初めて写真のっけてみました